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2011年01月05日

織部について

昨日に引き続き 美濃焼の話題であります。
今日は「織部について」でありますが 織部焼の始祖である古田織部はある意味において 陶芸の革命家であったと思われます。
ある意味とは それまでの日本の焼き物が素朴で農民的な性格が色濃く反映され 実利的ではあってもとても陶芸とは申せない道具に過ぎなかったものを 利休が提唱した創作茶道具の具現に向け 自由闊達な発想を遺憾なく発揮したところにあった点であります。
この織部を異端児と申し上げるべきか 天才と申し上げるべきかは その後の桃山陶芸の隆盛を知れば明らかなことでありましょう。
古田織部の作品の特長は言うまでもありませんが 造形と文様と彩色の独自性 そしてその幅広さにあります。
殆どどれもそれまでの常識を無視したものといっても 過言ではありません。
この点ただ単に閃きで作陶したように思われる方もみえるようですが 造形にしても文様にしても その全てがその後の陶芸の世界に与える新機軸となっていることを鑑みれば 閃きであれ何であれ その感性は現在にも継承されている日本の貴重な財産であるとも言えるのではなでしょうか。
織部自身も自我を表現し その主張が受け入れられたこの時は(果たして生前であったとは考え難いのですが) 当にエポックメーキングであったと思わるのであります。

この無造作で荒々しいつくりは 織部の一面である奔放さが全面に表現されています。

投稿者 Sugino : 2011年01月05日 01:40

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