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2010年11月06日

WAKA・和花

一般的に和食器と申しますと 手描きのものが好まれる傾向にありますが 場合によっては彩色が多く複雑な図柄を表現する手法として 転写という技術が使われることがあります。
私たちも判らない時はお尋ねするのですが 返ってきたご返事が転写の場合は「何だ 転写か」などと呟いてしまいます。
時間や手間をかけずに 如何にも効率だけを優先して次々につくり出す手法だと思っているからなのですが。
しかし原稿から同じ色の領域だけを取り出し 夫々の色の版下を色の数だけつくり 一色刷っては乾燥させ 乾燥した上に次の色を重ね合わせと繰り返し 最後に一つ一つの色がバラバラにならないようオーバーコートを一版刷る。
その後焼成されますが ご承知のように水分を含んだ土は熱を加えますと縮みます。
この収縮率を考慮して転写紙をつくらねばなりませんが 顔料などにも熱による化学変化に配慮しなければなりません。
更に転写紙を貼る作業は人の手に頼らねばならず しかも曲面に貼るとなればこれも高度な技術が必要となって参ります。
と ここまでザッと書いて参りましたが それにしましてもこれも大変な技術なんだと思いませんか。

写真はこの転写の技法を使ってつくられた 「WAKA・和花」というギフトシリーズで 万葉集によく詠まれる萩や 桃山以降に主に綸子地紋として用いられた紗綾文様や雪輪文様などが モチーフとして使われています。

投稿者 Sugino : 2010年11月06日 00:07

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