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2010年10月01日

くさや

月の初めから臭い干物の話でご機嫌伺い 恐縮です。
伊豆諸島の中でも特に新島での製造の歴史が古いようで ムロアジやトビウオなどが使われています。
くさやは食塩水(濃度は10%程度とそれ程高くはありません)に魚のワタを加えて発酵させた液(くさや液)に 一昼夜ほど浸け込み液をよく馴染ませた後 真水で洗浄して1~2日天日干しした干物の一種であります。
独特の強い臭気があり 出荷時点では臭いが漏れないよう真空パックや瓶詰めにされています。
小泉武夫先生によれば「くさいはうまい」ということですが 苦手な方も多い筈であります。
このくさや液は塩が貴重品であった頃から製造されていて 何百年かに亘り使い続けている生産者もみえ そこでは秘伝の家宝として今に受け継がれています。
亦この一種の魚醤と言えるくさや液は 離島である伊豆諸島では医療体制の遅れもあって 食用ばかりでなく塗ったり,飲んだりと 薬用としても利用されてきた歴史があります。
調理は他の干物と同様 焙り焼きして食べるのが一般的ですが 加熱前に比べ加熱後は臭気が3倍程増えてまいります。
これが酒肴に最高と仰る方も ご飯にのせてお茶漬けとしたり 他の野菜と合わせて和え物とするなど 違った楽しみ方もお勧めです。

因みに世界一臭いといわれる食べ物は スウェーデンのニシンを発酵させたシュールストレミングという食品(缶詰)で くさやの6倍ほどの臭気があるのだそうです。

投稿者 Sugino : 2010年10月01日 06:21

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