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2010年09月05日

大倉陶園の絵付技法

ご存知大倉陶園は皇室ご用達の窯であり 日本における最高クラスの品質を誇る企業であります。
生地は「セーブルのブルー 大倉のホワイト」と賞賛されますように 色の白さ,磁器質の硬さ,肌の滑らかさは他の追随を許しません。
今日はこの生地も然ることながら 絵付けも大倉特有の伝統技法を駆使してつくられますので こちらを幾つかご紹介しましょう。
先ずはこれも大倉陶園の代表的な作品ですが 岡染(おかぞめ)という技法で絵付けされます。本焼した白生地の上に油で溶いたコバルト質絵の具で絵を描き 再度1,460度を超える高温の本焼窯で焼成します。
そうしますとコバルトの青い色はうわぐすりの中に沈み込み 深みのある紺青のバラが完成します。
次は金蝕(きんしょく)
これもよく見掛ける大倉陶園の代表的な絵付けです。
「きんくさらし」とか「エッチング」とも呼ばれていますが 白生地に文様をマスキングし その上からサンドを吹き付けますと 保護されていない部分の釉面が彫り込まれます。
次に金を施し絵窯で焼成しますと 保護されていた釉面の金は光沢を持ち サンドの吹き付けられた釉面の金は光沢を持たない金となり 焼き上がった金の面に文様が浮き上がって参ります。
次はエンボス(浮彫)
成形生地にローラーで文様を押し その文様の上には釉薬を施さずに本焼します。
本焼後 白生地のエンボス模様の上に金を焼き付けますと 浮き彫り文様がくっきりと金色に輝きます。
ヨーロッパに多い絵付け技法でもあります。
最後は漆蒔(うるしまき)
先ず白生地の上に漆を塗り 暫く乾かして表面を少し固くします。
次に上絵の具の粉を漆の上に蒔き 綿で軽く擦って絵の具を漆層の中へ沈めます。
上絵の絵付け同様 絵窯で焼成しますと光沢のある色無地の絵付けが完成します。
数種の絵の具でこれを繰り返しますと 独特の味わい深い色合いの蒔絵が出来上がります。

まだまだございますが 本日はこの辺で。

投稿者 Sugino : 2010年09月05日 04:33

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