« 沖縄ソバ | メイン | 天ぷら »

2010年08月30日

青磁と市松

市松模様とは 碁盤の目のように並んだ正方形を 2色に色分けした絵柄で 江戸中期の歌舞伎役者の名から命名されたものだそうです。
この絵柄の場合 特に細やかな技術が要求されるのが 写真の一珍画き。
色分けした白の部分に青磁の釉薬が流れるのを防ぎ 色の対比を鮮やかに仕上げるために行います。
先ず素焼き生地に独自に調合し 程よい柔らかさにした糊状の磁土で 市松の中心の十字模様を線描きしていきます。
この一珍は 糊状の磁土が出過ぎますと きれいで真っ直ぐな線は画けませんので スポイトのような道具で搾り出していきます。
この程よい粘土づくり 搾り出す時の力の入れ具合 そして線の画き方などは長年の経験の積み重ねに違いありません。
その後 青磁釉の部分を筆で繊細に塗り分け 全体に透明釉をかけて焼成します。
そうしてこの青磁という釉薬は 普通の石灰釉であれば発色させる焼成温度の焼き幅が100度あるのに対し このメーカーは青磁ならではの美しい光の乱反射を実現するため 柞灰を使用しています。
この釉薬の場合ですと 理想とする発色を得るための温度差が+-5度しかありません。
1200度の凡そ8%です。
しかもそのときの温度調整は 季節や天候はもちろん 釉薬の厚さに濃度そしてかける時の速度などにも左右されますので まるで神業とでも申し上げてよいのではないでしょうか。

上が青磁桔梗渕菓子鉢 下が青磁市松菓子皿です。

投稿者 Sugino : 2010年08月30日 08:18

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.sugino-toki.com/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/1781

コメント

コメントしてください




保存しますか?