« 大豆の加工食品 | メイン | 八幡巻き »

2010年05月14日

懐の深い器とは

猪口の歴史を紐解いて見ますと 江戸期ではストンとした寸胴型の器の総称であったようです。
副菜を盛る小鉢のようなものからお酒の猪口まで 当時は大まかな呼称でこう呼んでいたらしいのですが それ故料理全般に使ってしまうという オールマイティーな器であったようであります。
その名残か 今でもソバ猪口はソバ猪口にあらずとばかりに あらゆる食卓シーンに顔を出しています。
コレクターが多いのもこのソバ猪口ですね。
長い歴史を架けて自然に育まれた 狭い食卓を有効に利用しようという 人智の結晶のように思われます。
さてここに掲載しましたのは 欅製摺り漆の菓子鉢でありますが これが亦 人夫々なんですね。
菓子鉢とはつくり手(売り手)の一方的な名ばかりで ある人はサラダ鉢としたり或いは煮物を盛ってみたりと 使い手の発想は留まるところを知りません。
人によっては スパゲティーやカレーの皿にもなりかねません。
但し相手は漆器ですから 金属のカトラリーは避けていただいた方が良いのでありますが。
ご安心下さい。 今は木製や竹製のカトラリーも豊富に出回っています。
こうした使い回しの利く器を 懐の深い器と言っておりますが これらは寧ろ使い手の懐の深さにあると言えるのではないでしょうか。

周囲を見渡し 眠っている食器に光を当ててみましょう。

投稿者 Sugino : 2010年05月14日 02:32

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.sugino-toki.com/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/1669

コメント

コメントしてください




保存しますか?