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2010年04月24日

昆 布

子供の頃 北海道の海産物を「ニシン,サケ,マス,タラ,カニ,コンブ」と覚えなさいと教わり 今でもこの品目に大差はないと思われますが 取り分け最後の昆布は 北海道が全国的にも主要な産地であります。
しかしこの昆布も広い北海道の生息地では その地域によって昆布の種類が夫々違っているようであります。
出汁の材料として必要不可欠な昆布でありますが 代表的な出汁であるカツオとの相乗効果で 味わい深い一番出汁に二番出汁と 旨味成分のグルタミン酸を持つゆえの隠れた主役であります。
南方に生息する真昆布は 出汁の材料としてばかりでなく 昆布巻きや塩昆布に佃煮と 食品の材料としても幅広く利用されています。
そこから東へ移れば 少し細目の日高昆布。
出汁はもちろん これも煮物や佃煮の他おでんダネとしても利用されます。
更に東へ移りますと 羅臼昆布。
旨味の強い出汁が採れますし 昆布の幅が広いので昆布締めや昆布巻きなどにも向いています。
最後は北へ上って 利尻昆布。
澄んだ上品な出汁が採れるので 懐石の煮物や吸い物に利用されています。
それでは保存法ですが 湿気によってカビが生えることもあり 出来れば密封容器に乾燥剤を入れることをお薦めします。
その際 目的に合わせて切って保存されれば 取り出して利用される時に便利です。
次は出汁の採り方ですが 水に長時間浸して採る方法もありますが 一般的には火にかけます。
但し沸騰するまで入れたままではいけません。
沸騰してしまいますと 昆布の臭みまで抜け出てしまいますので 必ず沸騰直前に取り出してください。
これで昆布出汁は出来上がりましたが 今度は昆布を取り出し沸騰したら 一気にカツオを加え 即,火を止めます。
浮いたカツオを沈めながら一分おき 濡れ布巾などで濾して下さい。
決して煮立てたり 掻き混ぜたり そして布巾も余りきつく絞らず 軽く捻る程度にして下さい。 濁ってしまいます。
我が家では 生臭い煮干出汁は全く使いません。
専らこの一番出汁,二番出汁です。

因みに江戸時代の北海道は 松前藩の領地であったことから この昆布を使った料理に松前の名前が付けられています。
取り分け昆布にスルメや数の子,人参などを 醤油ベースの漬け汁に漬け込んだ松前漬けがよく知られていますね。

投稿者 Sugino : 2010年04月24日 05:58

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