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2009年09月30日

玉山窯

美濃焼の中心地 東濃・多治見市の市之倉に 開窯以来100年を超える窯元がございます。
この地区は元々ラスター彩の復元に尽力された加藤卓男氏 今もって志野の第一人者であられる鈴木蔵氏などなど 錚々たる陶芸家を輩出した地域でもあるのですが この玉山窯も 市の無形文化財保持者であられる玉置保夫氏の窯元であります。
今は4代目の兼光氏に伝統が受け継がれていますが 同時に氏の革新性の追求という側面もあって この二面性のバランスが見所となっている興味深い窯の一つであります。 
更に歴史を遡れば この市之倉は桃山期の遺産である志野や織部といった焼物が 今も激しく息衝いている地域でありますが その伝統を重んずればこその革新なのであります。
重厚な佇まいを感じさせる器たちは それを持つ人から使う人へと伝わり 次第に大きく膨らみながらもてなしを受ける人へと辿り着いた時 至福の空間をつくり至高のもてなしとなって参ります。 
圧倒的な存在感は心地良い緊張感をもたらすと同時に 反面ホッとするような柔和な温かさを伝へます。

ですから良い器に触れるということは 心の財産を得ることに等しいということではないでしょうか。

投稿者 Sugino : 2009年09月30日 06:54

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