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2009年09月19日

続・九谷の近代画風

古九谷窯址の碑は 現在の一大産地の能美市より遥か南 福井県との県境に近い山間に 今も静かに佇んでいます。
しかし其処は僅か半世紀でもって廃窯となってしまうのですが その一世紀後には芸能文化に精通し 文治政策を奨励した前田家の統治する加賀藩によって 再び覚醒します。
そのあたりは九谷焼六様式のコラムでも ご紹介しておりますのでご一読下さい。
ここでは人間国宝であられる德田八十吉氏の彩釉 吉田美統氏の釉裏金彩のように 現代に至って更なる独自画法が編み出され 新たな九谷の様式美となっている 前回残した幾つかの画法をご紹介しましょう。
何れもご覧になられたものばかりかと存じますが 今一度お目通し下さい。
先ず最初の写真は「細字」です。
ここには百人一首が書かれていますが 和歌や漢詩など非常に微細な文字で 緻密に描き込む技法で 器の内側に描く場合は 更に高度な技術を要するものと思われます。
私などルーペを使っても見えません。
次は「花詰」。
菊や牡丹など日本を代表する四季折々の花々を 金銀彩に五彩という上絵付けで 器を埋め尽くすように描きます。
豪華絢爛の極みといった 九谷の代表的な図柄です。
最後は「盛」。
ご覧のように獅子や招き猫 高砂などの置物によく見られる技法です。
専用の絵具に筆を使って盛り上げた 立体的な模様が特徴で 大胆な豪快さが感じられます。

このコラムは以前ご紹介しました「九谷の近代画風」の続編です。
チャンスがあれば続々編も続けてみようかと思っています。

投稿者 Sugino : 2009年09月19日 06:24

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