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2009年08月13日

出 汁

和食の成否は何と言っても 出汁加減を見逃すわけには参りません。
近頃はティーバッグのような袋入りのものから 顆粒や液状になった簡便な即席出汁も市販されていますが やはり天然素材である昆布とカツオ節から採った出汁には敵わないのではないでしょうか。
この和食の出汁に当るものが 西洋料理ではヴィヨン或いはフォンであり 中華においては湯(タン)がこれに相当します。
このようにどの国の料理でありましても 旨味のベースであるスープストックというものがあり 今日は和食の基本となる昆布とカツオの一番出汁の採り方をご紹介しましょう。
先ず鍋に10カップの水を入れ 昆布は絞った布巾で表面を拭き取り 20cm程の長さに2枚切ります。
中火にかけて沸騰する直前に 昆布を取り出します。
沸騰したところで40g程のカツオ節を一気に加え 即,火を止めます。
水面から飛び出しているカツオ節を 箸で抑えて沈めながら静かに1分ねかせます。
ここで煮立てたり掻き混ぜたりしますと 折角の出汁が濁ってしまいますのでご注意願います。
そしてボールの上に濡れ布巾(或いはクッキングペーパー)を敷いたザルをのせ 鍋からボールに濾して移します。
布巾(クッキングペーパー)はカツオ節を包みながら 軽く絞ります。
ここでも余り強く絞らないよう気をつけて下さい。
2割程が減量され 8カップ分ほどの澄んだ出汁が出来上がります。
直ぐに使われない時は 冷蔵庫で3~4日は保存可能です。
冷凍する場合は 製氷器などに移せば小出しで使うときに便利です。
あっさりと上品な風味の一番出汁は 吸い物や蒸し物など出汁を生かした料理には欠かせません。
この一番出汁を採った後の昆布とカツオ節を 煮出して採る出汁を二番出汁と言いますが 麺ツユの場合は風味の強い濃い出汁が必要ですので 追いカツオをします。
この他 出汁づくりの材料には 昆布だけのものや煮干やトビウオを使ったアゴ出汁 干し椎茸などがあります。
亦 八方出汁と申しまして 出汁に調味料を加えて 煮物やツユなど文字通り四方八方色々な料理に使える万能出汁がございます。
一番出汁8の割りに 薄口醤油とみりんを夫々1の割りで合わせた出汁であります。
更にこれをベースに 砂糖やみりんの量を増やせば甘八方となり 塩や醤油を控えて白醤油を生かせば白八方 お酒が加われば酒八方と出汁のバリエーションがドンドン広がります。

どうぞ夫々の料理の持ち味に応じて 使い分けてみて下さい。

投稿者 Sugino : 2009年08月13日 05:52

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