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2009年05月15日

常滑焼の急須

新茶の茶摘が始まりました。
この新茶を淹れるに相応しい急須をご紹介しましょう。
こちらも国の伝統工芸品の指定を受けています 常滑焼の急須です。
今日はその製造工程を簡単にご紹介させて戴きます。
先ずは四つのパーツを夫々ロクロを使って水引します。
四つのパーツは胴,手,口,蓋の部分ですが 夫々個別に仕上げます。
それが済みましたら 胴明けを行い手と口のパーツを胴に組み立てます。
それを3日以上自然乾燥させた上 彫り柄や絵付けなどを施します。
この急須の土は 殆どが鉄分の多い朱泥と呼ばれる土を酸化焼成したものであります。
これを二度焼して燻しますと黒泥となりますが 黒粘土による焼成品もあります。
この他 酸化コバルト,酸化鉄,酸化チタンを混ぜて焼成する緑泥 朱泥に黒粘土を混ぜて酸化焼成する茶泥などがあります。
加飾技法と致しましては 数種の色の異なる土をロクロで練り上げる練込 海草を素地に付けて焼成する藻掛 ナイフや印刀などで素地の表面を削ぎ落とすカット ヘラなどを使ってロクロ目を付けて挽き上げる筋引などがあります。
これを窯詰めしまして 1100~1200度の温度で焼成します。
上絵を施したものは数回窯入れを繰り返します。
最後に蓋合わせをして洗浄しますと 完成です。
写真は窯詰め前の急須たちです。

お茶を注ぐ時 蓋の摘みに指が届かず蓋を押さえたら 熱くてビックリなさったことってありませんか。
蓋を良くご覧下さい。
摘みの脇といいますか 蓋の渕に近いところに可愛い置物をつけました。
ここを親指で押さえていただけば 熱くなくお茶が注げます。
「おやゆび姫の急須」と申します。

投稿者 Sugino : 2009年05月15日 06:34

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