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2009年01月09日

手づくり

食器にしても雑器と呼ばれる調理道具にしても 過っての陶器と呼ばれる器は 型に陶土を流し込んで成形するなんて思いも付かなかったことであります。
全て手づくりであった筈ですから。
例えば漬物用の甕にしても 今でこそ型で成形するのでしょうが 当時は手づくりの試行錯誤の連続ではなかったでしょうか。
恐らくつくり手と使い手のコミュニケーションのキャッチボールが 幾度となく繰り返されていたものと思われます。
例えば底には重圧がかかる為厚く丈夫にとか 渕は持ちやすいように玉渕にするとか 工夫に工夫を重ねた形跡を 今の道具からもいくつか窺い知ることが出来ます。
雑器と呼ばれるものですら(否 雑器という道具であればこそ こうした使い勝手が追求されたのかも知れません) こんな具合ですから 美術品ともなれば一つの完成品を得るために 何個犠牲になったことでしょう。
ところでブームとは恐ろしいもので こうしたブーム(マスコミが火付け役となっているケースが多い)が起こりますと これに心無い業者が便乗してしまう事がよくあります。つくれば売れるという安易な姿勢が伺えますと 業界全体への悪影響が心配されます。

勿論 つくり手に責任の大半はあるのですが 使う側も確かな目を養っていただき 本当に良いものしか売れないのだ という事を知らしめて戴きたいと思っています。
産地のためにも。

投稿者 Sugino : 2009年01月09日 06:02

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