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2008年12月20日

再び黒豆

今の重箱は殆ど三段重ですが 正式には五段であります。
最上段は一の重でおせちの口開けとなりますから お目出度い祝肴や口取りを 二段目の二の重には焼き物を 順に三の重には酢の物,和え物,生の物を 四段目のお重は与の重と申しまして 四という数字を使わないことになっています。
ここには煮物が詰められます。
そして最下段の五段目は控の重にします。
詰め方は概ねこの順になりますが 地方や各ご家庭でも仕来たりなどによって 多少の違いはあると思いますのでご了承下さい。
さてこの与の重の料理ですが ここにはおせちの定番中の定番 「黒豆」と「昆布巻き」が入ります。
そこで今日は黒豆についてお話させていただきます。
黒豆は正式には黒大豆といって 黄大豆,青大豆と並ぶ大豆の一種です。
この黒大豆の中でも 特に大粒で美味しいのが丹波の黒豆であります。
新豆はこの師走の中旬以降に出回りますので 是非新豆を使って色艶よくふっくらと煮上げて下さい。
白い粉がふいたものは古豆です。
それでは「まめに暮らせますように」との願いを込めて 煮豆づくりのスタートです。
先ずはタップリの水(或いは調味した煮汁を使う方もみえます)に一晩浸けますが 浮いてきたものや傷のあるものは ここで根気よく取り除いて下さい。
次に付け汁ごと鍋に入れて落し蓋をし強火にかけ 沸騰直前に弱火に落とし アクを丁寧に取り除いて下さい。
ふっくら煮るには茹で汁で砂糖を溶かし 2~3回に分けて加えながら味を含ませて下さい。
直接砂糖を加えますと豆にしわが寄ってしまいますが この方が歯応えがあって良いという方もいらっしゃいますので お好みでつくってみて下さい。
ここで煮るに当っては 写真の南部鉄・色出し鉄茄子(二枚目の写真)を一緒に鍋に入れて下さい。
仕上がりの豆の冴えた黒さに差が付きます。
ご承知のようにこの南部の鉄茄子は黒豆ばかりでなく 茄子漬けの色出しや 湯沸しの際の鉄分補給 そして貝の砂出し促進効果と年中ご利用戴けます。
そして仕上げに醤油です。

盛り付けに一寸手を加えて 松葉に刺してみました。
こうしますと お屠蘇のお摘み風の装いでもあります。

この豆につきましては 後程まとめてご紹介したいと思っています。

投稿者 Sugino : 2008年12月20日 04:56

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