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2008年09月12日

薄 板

花入を畳敷きの床に置く際 花入の下に敷く薄い板を薄板と言います。
この薄板には「矢筈板」「蛤端」「丸香台」の3種があり 夫々の花入によって使い分けられています。
矢筈板は真塗で 板の木口が矢筈(矢の頭部のようにV字型を寝かせたように切り込みの入った板 上部が下部に比べてやや広い)の形をしています。
これには中国伝来の唐物で 古銅や青磁などの真の花入が用いられます。
これに対して土の素朴な趣を表現した国焼 そして木や竹などの素材をそのまま生かした花入には 草の格の丸香台が使われます。
丸香台は掻き合わせ塗で 木口は丸くなっています。
そしてその中間に位置するのが 行の格の蛤端と呼ばれる薄板で 丁度木口が蛤の貝を合わせたような形で 塗は溜塗です。
砂張(さはり:銅と錫の合金)や施釉された国焼の花入に使われます。
何れもこの写真では 板の角部が解りにくいかと存じます。 ご容赦下さい。

お茶の世界では先述しました「真行草」という言葉がよく使われます。
これは書道の筆法から採られた言葉で 楷書(真),行書,草書の三種の文字の形を表しています。
本来の真の形である楷書 それを少し崩した行書 更に崩した草書という三種の字形をお茶の世界に当てはめ 格付けとして使われています。
これはお茶の道具は中国伝来のものが発祥であり このような唐物を真と位置づけ 少しずつ崩して和風化していったものを行,草と順ずるようになっているのです。

投稿者 Sugino : 2008年09月12日 05:43

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