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2006年12月06日

抹茶碗各部の名称

この陶器業界は 料理に茶道,華道といった専門職の業界が絡み合っていて 毎日使う食器でありながら 次の一歩がなかなか踏み込めないという方が大勢いらっしゃるのではないかと思います。
この次の一歩を踏み込んで戴きますと もっともっと陶器に興味を持っていただけるでしょうし 陶器屋を冷やかすのが面白くなってくるのではないかと思っています。
ここで生まれ育った私ですら分らない事ばかりなのに ましてや一般の方にすれば異次元の世界に映り 尻込みされるのも止むを得ない事かも知れません。
例えば陶器のサイズは未だに尺貫法で表示される世界ですし 亦如何にも専門用語が多すぎます。
更に今でこそ殆ど使われなくなりましたが 業界特有の符丁と言うものも存在しました。
そこで今日は次の一歩の 一つの扉を開けてみようと思っています。

手始めに抹茶碗(飯碗,湯呑も共通)各部の名称についてお話させていただきます。

器の上部から順に説明しますと 先ず口の部分を口縁(コウエン)或いは口辺と呼んでいます。
ここは直接口を当てる部分でもありますので 直接手で触れて実際の感触を確かめられるのが良いでしょう。
次に外側全体を胴(ドウ)と呼び「胴が窪んだ・・・」等と使います。
更にその下部の付け根の部分を腰(コシ)と呼んでいます。
この部分の広い器を「腰が張った・・・」等と表現します。
そして最下部のテーブルなどに接する台座の部分を高台(コウダイ)と呼び 亦ロクロから器を切り離す時糸を使うため糸底 或いは糸尻とも呼ばれています。
カイラギの井戸茶碗はここが見所の一つでもあります。
次に内側へまいりますが この内側全体を見込み(ミコミ)と呼び 「見込みに絵付けされた・・・」等と使います。
飯碗,湯呑については以上ですが 抹茶碗は更にこの内側最深中央部を茶溜り(チャダマリ) その茶溜り周辺を茶筅摺り(チャセンスリ)と分けて呼んでいます。

図解すればもっと分り易かったかも知れませんが これでご容赦下さい。
実際に買い物される際 こんな言葉を使って慣らしていってください。
(店員さんの反応が違ってくるかも)
こうして陶器にも少しずつ親しんでいただけたらと願っています。

投稿者 Sugino : 2006年12月06日 22:21

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