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2006年01月07日

備前焼

我が国六古窯の中でも最古の窯場と言うことは 早く言えば千年を超える日本最古の窯場ということになります。(余り約まっていませんが)
勿論 全国至る所にそれ以前の窯址は散在しているのですが 淘汰され現在に至っていないのです。
備前焼(伊部焼)のルーツは 当時弥生式土器の流れを汲む野焼きによってつくられた土師器しかなかった時代に 朝鮮から伝えられた窯焼きする須恵器という事になっています。(窯址の発掘調査により解明)
古墳時代の当時は朝廷の調度や祭器が中心だったようですが その後須恵器の伝統を継承しながらも次第に民間雑器に近づき 秀吉の頃には侘び寂びに適う茶陶として珍重されて参りました。

備前焼の魅力は 一言で言えば施釉しない土と炎の結合による自然の美しさと言えます。
亦 大半を自然の偶然性に委ねた産物ともいえます。(失礼な書き方ですが)
その結果生まれた自然の紋様にも名前が付いていますので 幾つかご紹介しましょう。

* 火 襷 : 藁で縛った跡で 襷を掛けたような赤い筋
* 火牡丹 : お互いに接触し合った部分に出来る赤い円
* 桟切り : 炭化した薪の中に埋まって出来る黒っぽい灰色の紋様
* 胡 麻 : 薪の灰が降りかかって出来る細かな紋様

<商品のご紹介>

* 一輪挿し   ¥10.500-
* 湯  呑   ¥ 5.250-
* グイ呑み   ¥ 5.250-

無釉焼〆の伝統美 備前焼です。

<土物の魅力>

見るからに掌を通して温もりが伝わってきます。
傍に置くだけで土の匂いがします。
豪快でありながら 日本の料理を繊細に包み込んでくれます。
和食ばかりではありません。 土物の多くは洋風料理にもキッチリ溶け込みます。
土物のトリコになっている方なら その魅力を充分ご存知でしょう。
ただ 土物には弱点もあります。
水や臭いを吸収するという点です。
無釉のものは それだけで土の持つ素朴な味わいを見せてくれますが 一度吸着した油や臭いは簡単には取り除けません。
初めて使われる際は 米の研ぎ汁などに30分程漬けてみてください。
水を含んだ土は 水を得た魚のように生き生きとしてきます。
逆手に取った魅力発掘法です。

因みに 磁器であるか 土物であるかは釉薬の掛からない糸底をご覧になってください。
近頃は釉掛けで土物っぽく造られた磁器もあります。 

投稿者 Sugino : 2006年01月07日 15:23

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